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モルモットのお世話をめぐって➁ ~主体性・協同を育む過程を大切に~

園だより

4歳(年中)児ばら組で、モルモットのお世話をめぐって、子どもたちと意見を交わしたり、とにかくお世話をしようと試行錯誤してきました。

 

前回の話の翌日。みんながモルモットのお世話をするには「順番にやればいい」という意見が出たことを踏まえて、午前中にまた相談です。お世話をしたい子どもの名前を書いたカードを用意し、視覚的に分かりやすいようにしました。

お世話をしたい子どもがまた集まり、それぞれ考えてきたという子どもたちの意見をひとまず聞き取りました。すると、ある子が、はじめにお世話係となっていた4人の子どものカードが、4枚縦に繋がれているのを見て、「これと同じみたいに、4つずつに分けたらいいじゃん」と発言。周りの子どもも、それには同意。その通りにカードを4枚ずつ分けてみると、なんという偶然。きれいに分けられました。すっきり!!

「さあ、今日はどの4人がお世話をする?」と問いかけると、

「もうたくさんお世話をしてきた人たちは(やらなくて)いいんじゃない」

「わたしたちやりたい!」

「いいよ、じゃあぼくは明日やるから」

など、話し合い・譲り合いでサクッと決まり、お世話をすることになった4人は、早速モルモットバッチを胸元につけ、意気揚々とお世話をしたのでした(前日に思うようにお世話できなかったDちゃん、Eちゃんもそのメンバーに入っていました。上手くいってよかったね!!)。

 

 

大人がすぐ“こうしましょう”と、ベストであろう方法を提示してしまったら、「こうしたらいいんじゃないか」と子どもたち自らが考えることもなかったでしょう。うまくいかずに悲しい、悔しい気持ちを経験した子どももいました。しかし、子どもたちには、「どうしたらいいだろう」「こうしたらいいかな」「やってみたけど上手くいかなかった」「こうしてみたら上手くいった」といった実体験を通して、色々なことを自ら考えたり、行動してみたり、心を動かしたりして欲しいと思っています。

 

そして、「こうしたら?」と助け船を出さなくとも、子どもたちが何とかしようとするものだ、と改めて感じました。保育者は傍らで子ども達の相談を聞いたり、意見をくみ取ったり、少し話をまとめたり、といった関わりをしています。解決を急いではいません。すぐに答えを出そうとは思っていません。

モルモットのお世話に事に限らず、子ども達は、頭をひねって色々な思いを巡らせて、どうすればできるか?ということをたくさん考えています。「どうしたらいいか、自分で考える」「自分の意見を相手に伝える」「相手の話(意見)を聞く」「友達と意見を交わして考える」といった、とても大事な経験を積んでいるところです。

 

4歳児のこの時期に、こうした経験をたくさん積み、5歳児になった頃には大人があまり介入しなくても話し合いが成立したり、子ども同士でケンカを解決したり…というたくましい姿に育つといいな、なんて願いながら、子どもたちの育ちを見守りたいと思います。

 

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