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3歳児 入れる・注ぐ ⾊⽔遊びの周辺で

園だより

 4⽉。
 たんぽぽの⼦どもたちとムクロジの泡を出して遊ぶことが数週間続いていました。

 
 連休明けの5⽉。
 ⾊をつけたら少し変化が出て⾯⽩いかなと思い、⾷紅を混ぜてみました。するとほんのり⾚い泡ができて、それをみていたゆり組の⼥の⼦たちが「かき氷みたい!」「その泡欲しい」とやってきました。少し⼾惑いつつも「いいよ」と泡をすくって差し出すたんぽぽのAさん。「ありがとう!ちょっと待っててね!」と砂場のカップを持って戻ってきた数⼈のゆり組の⼥の⼦たちに、泡をすくってあげていましたが、やがてAさんもカップを持ってきて泡を⼊れ始めました。ゆり組の⼦どもたちは泡を⼊れたカップをビールケースの上に並べて「かき氷屋さんにしよう」「アイス屋さんね」などと話しながら⾃分達の遊びを始めました。その様⼦を横⽬で⾒ながら、Aさんや他のたんぽぽ組の⼈たちもカップに泡を集めたり、⾊のついた⽔をすくってみたりしていました。
 そんな様⼦を受け、⾚と⻩⾊の⾷紅で⾊⽔を作ってペットボトルに⼊れ、外のテーブルの上に並べてみました。子どもたちが⾊⽔を混ぜたりジュースに⾒たてたりして遊ぶかな?と思って、透明のカップもそばに置いておきました。ところが、初⽇はその⾊⽔が欲しくなる⼈が続出。
 「おうちに持って帰っていい?」「ぼくが先に赤いのを使うの!」「私は⻩⾊が欲しい」 と口々に⾔う⼦どもたちに、「〇〇ちゃんのつぎが□□ちゃんね」など交通整理をしながら新しく⾊⽔を作って渡すということを繰り返してるうちに、その場にいる⼦どもたちはそれぞれにペースがあり、やろうとしていることも違うので、順番に使うとか、ちょっと待っているといったことよりも、「今、やりたい!」という気持ちに沿っていく工夫をしなくては、とおもわされました。⼀⼈⼀⼈が存分 に遊べるように数をたくさん確保することが、この時期には必要です。その為、翌⽇からは、ペットボトルに⾊を作っておくのではなく、タライにたっぷり⾊⽔を作り、必要なだけ⾃分達で汲めるようにしておきました。


 6月。
 ⼦どもたちは、色水をカップで汲んでペットボトルに入れたり、ペットボトルからバケツに注いだり、どこからかジョーロを持ってきてそれでペットボトルに流したりしていました。⾊⽔への興味をきっかけとして、「注ぐ」というテーマが⽣まれ、夢中になっているようでした。 ある⽇、ばら組の男の⼦が⽔を慎重に容器から容器へと⽔を移し替えている横で、たんぽぽの⼈たちも何やら慎重に注ぎ込む姿がありました。それまでは、ジャボジャボ移し替えていたので、周りに溢れる⽅が多かったのです。「こぼさないように入れてみよう」という気持ちがむくむくとわいてきたのでしょう。
 別の日には、ばら組の人たちが「ジュース屋さんやってるから来て~!」とお誘いに来てくれました。何人かで一緒に行ってみましたら、色鮮やかな色水に、はなびらが浮かべてあります。ちょっとよそゆきの雰囲気にドキドキしながらお買い物をして、嬉しそうに戻ると幾人かの人たちが、自分の色水の入ったコップに花を入れたり草を入れたりしています。異年齢の子どもたちが一緒にいることで、色々と響きあいながら遊びが変化しつつ続いているのだなと感じます。
 また、連⽇⾊⽔で遊ぶ⼦どもたちをみていて気付かされたことがあります。3歳児にとっては、⾷紅の鮮やかな⾊合いも、泥を混ぜた濁った⾊合いも等しく「⾊⽔」なのだということです。「ほらみて〜!チョコレート!」「コーヒーだよ」と、嬉しそうに砂を混ぜて「先⽣飲んでね」と振る舞ってくれる⼈もいます。「いちごの色。こっちはみかん」など、偶然できた⾊を⾒てインスピレーションが湧いたようでうれしそうに見せてくれる人もいます。一緒に遊んでいる人と見比べたり、あげたりもらったりすることが楽しい様子です。



 7月のある日には、「暑いから氷を入れて飲み物を作るからね。たくさん作るから、みんなでのんでね!」と小石を拾ってカップに入れ、ボトルからいくつものカップにお茶を注ぎ入れて一生懸命熱中症対策をしてくれる場面もあり、いろいろなイメージを言葉や形であらわそうとする姿がありました。Bくんがたくさん並べたカップを見ると、入園から7月までの間に、たんぽぽの子どもたちが「一緒に生活するひとたち」を「なかま」として親しみを感じて受け入れているのだなと感じられてとてもうれしくなりました。



 ⼦どもたちは⽔や砂が⼤好きです。まだ幼稚園に慣れていなかった頃でも、砂場や⽔汲み場を⾒ると吸い寄せられるように遊び始める姿が⾒られました。 色水あそびだけでなく、恐⻯⼭を掘ってみたり、⾬上がりの⽔たまりで遊んだりする⼈が現れると「⾯⽩そう!」とみんなが集まります。
 そして飽きもせず繰り返す姿に、⼀体何がそんなに彼らを惹きつけるのかなと、みているこちらも楽しくなってしまうのです。

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